Bring Me The Horizon 簡単ディスクガイド Part.2
- Suicide Season
Bring Me The Horizon - Suicide Season FULL ALBUM - YouTube
2008年作。2ndアルバム。
前作からサウンドプロダクションが大きく向上し、メジャー感が出始めている作品。
曲調はこれまでのデスコア路線からハードコアへの比重が増している。ひたすらブルータルで凶悪だった前作と比べ、電子音やバラード的な展開がプラスされ、バンドのアイデンティティが早くも垣間見える。グロウル一辺倒ではなく、クリーンとシャウトの間を彷徨うオリヴァーのヴォーカルもエモく、キッズ達はメロイックサイン必須。
第一印象だと、前作の方がパンチがあって聴きやすいかもしれないが、このアルバムは聴けば聴くほどエモさが増す、スルメ系名盤であるだろう。
自分も最初は評価を低めにしていたが、リードトラックの“Chelsea Smile”をバンドでコピーしてから、その圧倒的暴力と叙情性に気付かされた。
このアルバムを彼らの代表作として見る人も多い。必聴。
- There Is A Hell, Believe Me I've Seen It.There Is A Heaven, Let’s Keep It A Secret
2010年作。3rdアルバム。
アルバムタイトルが長い。
音楽性としては、前作の“Suicide Season”から導入された電子音やストリングス、そして女性コーラスを今作から大きくフィーチャーし、これまでにあった彼らの楽曲の構成美やメロディセンスとクロスオーバーし、これまでになくシアトリカルなサウンドになっている。
また、クリーンヴォーカルの割合も大きく増しており、ガテラル、グロウルは殆ど使っていない。
ハードコアとシンセサウンドの融合は近年のシーンではメインストリームだが、多くのバンドはEDMかアンビエントサウンドを取り入れる中、BMTHは彼らの音楽性をよりドラマチックにする為に用い、ピコリーモと呼ばれるジャンルのバンドのように没個性になっていない。
このアルバムのハードコアとシンフォニックなサウンドの融合が、次作の大名盤へと繋がる。